ホテル、旅館の技能実習

技能実習制度は発展途上国での雇用創出や技術移転を目的として海外の若者を技能実習生として受け入れ、実務を通じて実践的な技術や技能・知識を学び、帰国後母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした制度です。

ホテルなどで受け入れすることのできる技能実習生は、ビルクリーニング職種で清掃やベッドメイキングの作業だけでしたが、2019年の7~8月から「宿泊業」として技能実習の職種に追加される予定です。可能な作業範囲や人材や受け入れ企業の要件はまだ公表されていません。

 

現状、特定技能の試験環境が整備されておらず候補者がいないも同然のため、技能実習が現実的な選択肢となります。

「特定技能」には、日本語検定4級と宿泊業技能試験に合格というハードルを越えてからの面接となります。一方、技能実習には面接だけです。採用企業側としては、ハードルを越えた人材を採用したい気持ちはわかりますが、日本語検定4級と技能試験に合格するには、試験のタイミングと合わせてフルタイムで1年以上の勉強が必要なため、人材側はハードルがない方の「技能実習」に集中します。

現状は特定技能の技能試験合格者は280名しかいないため採用はほぼ不可能で、今後国内外での試験の頻度が高まれば候補者も増えていきますが、様々な国や職種の選択肢がある中で、高いハードルを越えて日本の宿泊業を希望する人がどの程度いるかはわかりません。採用できたとしても、運良く希望者が見つかればという状態なので、計画的な採用はできないと想定されます。

そのため、まだ人材や受け入れ企業の要件、作業内容などが明らかではないものの、「技能実習」の方が現実的になる可能性が非常に大きいです。

 

技能実習生が行っても良い業務範囲

技能実習での作業内容はまだ公開されていませんが、「専門家会議」の議事録を読む限りでは、

・フロント業務の補助

・レストランなどでの接客や会場整備、配膳作業。

・フロントでの仕事を合理化して人があまりいらないビジネスホテルなどでは、食事の準備、片付け、会議室の設営、片付け、滞在中の利用客へ貸し出すための準備、提供、片付けなどが想定されているようです。

・清掃やベッドメイキングなどは現状不明ですが、関連業務や周辺作業で業務時間の1/4~1/2くらい認められる可能性はあります。

 

技能実習生の候補となる人材

ハノイなどの都市では豊かになってきているため、日本で働く人をほとんど募集することができません。かなりの田舎から募集します。そのため専門教育も企業での就業経験はほとんどありません。日本語も0から4~6か月勉強しただけで入国のため、スタート時はほとんどできません。しかし3年間の実習中に日本語検定3級や2級を取るほどに成長する人もいます。(語学は個人差があるため、全然上達しない場合もあります)

技能実習生は来日時はほとんど日本語ができませんので、接客や配膳の補助的な業務や裏方作業などを行いながら育てていくことになります。語学は個人差があり、上達する人もいれば、努力してもなかなか上達しない人もいます。

日本語が上達しなければ仕事ができないという状況を避けるために、裏方業務なら言葉以外の方法で業務を教え、接客の際に使う日本語は最初は少しずつ「セリフ」として暗記し、パターン化できるようになることから始める必要があります。 技能実習3年修了し、日本語も上手になり、お互いに信頼関係ができたら、特定技能で次の5年間も働いてくれる可能性はあります。

 

技能実習の特徴

・人材レベル:田舎の高校を卒業した人たちで、実家の農業や商店の手伝いは子供の頃からやってきてものの、専門教育や企業での就業経験はほとんどない。

・日本語レベル:「あいうえお」から始めて4~6か月程度学んだ程度。企業での社会人経験はほぼなし。

・可能な仕事範囲:技能実習制度で決められた職種や作業に入っているもの。

・入国のハードル低いので、候補者は多い。

・転職ができないので、3年は実習する。

・実績のある制度なので、入国まで比較的スムーズ。

 

問題点、リスク

転職はできないが、会社でトラブルや本人が相談できない悩みがあったり、給料が低い場合は転職という手段を取ることができないため、失踪となる。 100万円前後の借金を背負ってくる人も多く、返済するために不法就労のために失踪や万引き転売などの犯罪にもつながる場合がある。

 

技能実習制度について

送り出し機関、監理団体、実習実施企業の役割分担

技能実習制度では、企業が単独で技能実習生を採用することができません。技能実習生本人と企業様の間にベトナム側の送り出し機関、日本側では監理団体が入ります。

実習生は現地の送出し機関で日本語や実務等のトレーニングをし、日本にある監理団体を通して、日本企業が基本3年間雇う制度です。

入国までの手続きは監理団体がサポートし、日本入国後は監理団体の助言・巡回のもと、企業が技能実習生を雇用します。企業と技能実習生の間で問題が生じた場合には、監理団体がサポートするので、企業は安心して技能実習生を雇用できます。

送り出し機関、監理団体、受け入れ企業様、そして実習生がお互いにサポートしあう仕組みです。

間に2つも入ってその分監理費など費用が高くつくのですが、企業様単独では難しい募集、日本語教育、書類作成、監査などを行います。こういったことを義務付ける制度により、企業様が単独で採用した場合よりはるかに問題を防ぐことができ、技能実習生本人たちが仕事に取り組むことができます。

 

受け入れ可能な人数

優良企業と認められた場合は、技能実習3号でもう2年間追加することはできますが、ベトナム人技能実習生はあまりいないため記載しておりません。

 

費用はどのくらいかかるの?

外国から採用して、しかも日本語も学ばせてからなので、費用は日本人を採用するよりもかかります。外国人だから安く雇いたいと考えておられる方は、後々のトラブルの原因ですので検討をやめるか、考えを改めた方が良いでしょう。だいたい以下のような費用がかかります。

送り出し機関によっては「うちは〇〇料金いりません」「ひとり採用していただいたら紹介料〇〇円差し上げます」「チケットやホテル代はうちが払います」と言うところがありますが、法律違反か、後々のトラブルの原因になるため、お断りするか、そもそもそういう提案をしてくる会社とお付き合いすることは危険です。

■初期受入れ費用(3人の場合)

初期費用は法律で決められた金額なので、だいたいどの監理団体でも同じです。あとは航空券やホテルなどの面接の渡航費などです。

・初期費用
組合入会出資金+年会費 監理団体による
面接のための旅費   実費
技能実習生総合保険  39,640円 (37ヶ月分、死亡 1,500万、1人)
母国での講習実施費用 30,000円
国内講習費      実費 70,000〜80,000円程度(入国後の最初の1ヶ月)
国内講習手当     60,000円 (1人あたり)
渡航費(入国)    実費
監理費        30,000円程度 (監理団体により変動)
入国時健康診断     3,500円 (病院により変動あり)
国民健康保険      1,300円 (市町村により変動あり)

・住まいの初期費用 (家具、テレビ、インターネット、調理道具など。家賃の一部として少しずつ回収可能)

・受入れ期間中に給料以外に毎月かかる費用

監理団体監理費: ひとりあたり 20,000〜50,000/月(監理団体による)

送り出し監理費: ひとりあたり 5,000〜10,000/月(送り出し機関による)

■技能実習生の給料(例)

基本給 149600円(850円x8時間x22日)
税金、社会保険 28,746円(健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税)
家賃・光熱費 25000円
差し引き支給額:95,854円と十万円に少したりないので、何か手当5000円程度をつけて10万円を超えるようにする。

これに残業や休日出勤などで手取りが12~14万円程度だと募集しやすい。ベトナム人は家族を支えるために働くことが人生の最優先事項のため、残業や休みが少ないことを喜ぶ。

 

技能実習生の住まいについて

住まいは企業様の方で準備していただき、家賃を入居人数で割った金額を給料から控除できます。控除金額は地方ですと20,000円程度、大都市ですと30,000円程度まで認められます。水道光熱費やインターネットなどは実費を給料から控除できます。

・「1室につき2名以下」かつ「一人当たりの寝室床面積は、4.8㎡(3帖)以上」
・LDKなどの共用部分は、生活導線から区切られる場合に限り、寝室として利用可。
・家賃や光熱費を入居人数で除した金額以内で給与より控除可能です。

間取り 部屋面積 入居可能人数
2DK 6畳x2室 4名
3DK 6畳x3室 6名
3DK 6畳x2室、4畳x1室 5名

 

受入れの流れ

 

 

1.お申込みから候補者の募集

お申込みをいただいてから1か月程度で候補者の履歴書を送付いたします。ほとんどの場合、採用人数の3倍の候補者をご提案いたします。

2.ハノイまたはスカイプで面接

面接は基本的にハノイへ来ていただいて行います。スカイプなどのインターネットでの面接も可能です。

3.ベトナムでの事前研修

弊社トレーニングセンターで6か月の間トレーニングを行います。日本の生活習慣や職場環境で適応し規律ある行動ができるように研修いたします。専門用語の学習や技能研修なども研修できます。

4.ベトナムを出国、日本へ入国

5.監理団体講習(1か月)

入国後、監理団体で1か月の講習を行います。

6.技能実習スタート

1年目は1年間技能実習が可能な「技能実習1号」という在留資格で技能実習を行います。1年後に対象職種・作業について技能検定基礎2級等に合格し、在留資格変更許可を受けると「技能実習2号」へ移行することができ、最長で2年間(計3年間)の技能実習が可能です。